千曲川のほとり 甘露煮の島屋

ちくまがわのほとり かんろにのしまや

インタビュー

千曲市戸倉上山田温泉街に店舗を構える「千曲川のほとり 甘露煮の島屋」は、鮎の甘露煮やワカサギの甘露煮などの川魚商品を製造販売しています。昔から今の場所で甘露煮を生産販売し続ける島屋の歴史、そして甘露煮へのこだわりについて、店主の高崎修二さんにお聞きました。

店主の高崎修二さん

「うちはおよそ100年前からさまざまな事業を行ってきました。会社にしたのは昭和28年(1952)、聞くところによればその20~30年前から今のような川魚を扱う仕事をしていたようです。」

数十年前の川下りパンフレット

「私が中学生の頃、およそ40年前までは観光協会と一緒に千曲川で観光舟下りもやっていました。写真のようにお客さんを乗せて、途中で投網を打って鮠(はや)や鮎(あゆ)を捕まえたりしていました。当時はうちで独自にマイクロバスも持っていて、自分も学校をたまに休んで家の仕事を手伝っていましたね。親は働いた分の給料はくれたので、そのお金で同級生が買えないものを買ったりしていました。(笑) 大変だったけどいい時代でしたね。」 もともとは鮠が9割を占め鮠の加工品を多く作っていた島屋。しかし鮠は10年ほど前から入手が難しくなりました。同時に鮠は小骨が多く鮎と比べて食べにくいため、鮠が好きな人自体も減ってきたと高崎さんは語ります。 今日では鮎の甘露煮、鯉の甘露煮、わかさぎの甘露煮などを扱っている島屋。時代が流れても変わらないこだわりについてもお聞きしました。

人気商品 焼鮎の甘露煮

「うちは川魚専門の店なので、中途半端なサイズの鮎なんかは使いません。大きくて且つ国産の魚のみを仕入れています。味については、うちは上白糖ではなくザラメ糖を使って甘露煮を作っています。ザラメ糖を使うことで『嫌味の無い甘さ』『飽きないうまさ』が出ます。地元の方や旅館の方もそう言ってくださいます。ザラメ糖は高いですが品質を落としたくないので、そこはこだわり続けていますね。」 「もう一つこだわりがあります。それは”無添加”なことです。添加物を使っていないので安心して食べていただけます。健康にもいいですよ。」 上白糖ではなくザラメ糖を、中途半端なサイズの魚は使わず大きいものだけを、そして添加物は使わない。100年近く島屋の甘露煮が愛され続ける秘密が垣間見えました。 鯉の甘露煮はいまでも旅館の食事用やお土産用に毎日20-30kg出ているとのこと。多いときには1日に100kgも出ていたんだとか。質の高いおもてなしで多くの観光客が訪れる戸倉上山田の旅館が、島屋の甘露煮を選び食事に提供していることが、何よりの美味しさの証明になっています。

黒い箱のうるかは卵のみ、赤い箱のうるかは身も入っている

島屋は甘露煮の他にもさまざまな商品を扱っていますが、その中に1年間で1万本以上を売り上げたこともある商品があると高崎さんは言います。それが”うるか”です。 うるかとは鮎の塩辛のこと。日本酒にピッタリの珍味ということで、お酒好きな方や珍しいお土産を買いたい方に人気のようです。訪れたときに味見しましたが、爪楊枝の先にちょこっと付けて舐めるだけでお酒が一杯飲めそうな美味しさでした。

店内の様子

そんな島屋も、新型コロナウイルスと人々の川魚離れの影響で経営は厳しい状況にあると言います。 高崎さんは「この場所を有効に活用して戸倉上山田の街を盛り上げたいという人がいたら、ぜひ声をかけてほしい」と話していました。川魚を買いに訪れるだけでなく、何かこの街で仕掛けたい人、自分のお店を持ちたいと考えている人は島屋に足を運んでみてください。またお店を訪れられない日は、ぜひ温泉イーツで甘露煮を購入して食べてみてください。
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島屋の甘露煮は、造る人みんなの年季と真心で それは美味しくたきあげています

千曲川のほとり
甘露煮の島屋
千曲川のほとり 甘露煮の島屋
TEL:
026-275-1178
住所:
〒389-0821
長野県千曲市上山田温泉1-3-14
営業時間:
9:00-8:00
定休日:
なし
HP:
http://www14.plala.or.jp/kanroni/seizou.html
千曲川のほとり
甘露煮の島屋
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